ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

ビジネス書の書評ブログ。ビジネス書の紹介、ビジネス書の名言・言葉などを紹介しています。本の書評・感想レビュー

【メルマガ登録】(無料)まぐまぐ殿堂入りメルマガ  メルマガで読みたい方は、ぜひご登録を!
知識をチカラに
(マガジンID:0000139905) Powered by まぐまぐ
メールアドレス:

 本を書きました。絶賛発売中です!→ 『1つのことを長く続けられる技術』  本の詳細 → 『1つのことを長く続けられる技術』

 
 

『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』雨宮処凛

死なないノウハウということで、「働けなくなったら」「お金がなくなったら」「親の介護が必要になったら」などのノウハウが紹介されています。

まとめて知ることができるのが、便利な一冊だと思います。

『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』雨宮処凛

『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』雨宮処凛

『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』雨宮 処凛

目次

まえがき

序章 私の経験

第一章 お金 ―社会福祉士・横山北斗さんに聞く

第二章 仕事 ―プレカリアートユニオン執行委員長・清水直子さんに聞く

第三章 親の介護 ―「みんなの介護」編集部/一般社団法人LMN・遠藤英樹さんに聞く

COLUMN 潜入!入居金6000万円の高級老人ホーム!!

第四章 健康 ―CSRプロジェクト・桜井なおみさんに聞く

第五章 トラブル ―相談室ぱどる・原昌平さんに聞く

第六章 死 ―一般社団法人LMN・遠藤英樹さん/相談室ぱどる・原昌平さんに聞く

あとがき

生活保護について相談できる各地の民間団体


『死なないノウハウ』のここに注目・言葉・名言

「まずは「家賃が払えない」。特にコロナ禍では私もこのような相談を多く受けた。
派遣の仕事を減らされて家賃を滞納している、大家さんからあと一週間で追い出すと言われている、あるいは、今は多少の貯金はあるが数ヶ月後には家賃を払えなくなるタイミングが来そう、などなど。
自分で払うのが当たり前と信じられている家賃だが、公的な制度などあるのだろうか? 「このような場合、家賃のサポートが受けられる『住居確保給付金』が使えます。原則3ヶ月、最大9ヶ月まで延長できます。対象となるのは、離職(仕事を辞めた)・廃業(自分で会社 などをやっていたけど辞めた)後、2年以内であること。もしくは個人の責任・都合によらず給与などの収入が少なくなった場合です。」(p.47)

住居確保給付金

家賃が払えない。

そういうときはあると思います。

そんなときには、住居確保給付金というものがあるそうです。

区役所などで相談すると良さそうです。

こういうものがあると知っていれば、ということはありますね。

遠方の親の介護など

「そのような場合、遠方にいる子どもが普段から備えておけることはあるのだろうか。
「まず、お子さんが遠方で親の変化に気づけないという場合、近所の方に声がけをして頂く環境作りが大きいと思います。帰省した時などに頼んでおいて、連絡先を交換しておく。また、地域には必ず民生委員がいます。民生委員は独居や夫婦の高齢世帯を把握しているので、定期的な声がけや訪問をお願いしておくのもいいと思います」
そうして様子がおかしいと思ったら、地域包括支援センターに連絡だ。

そこからまずは、介護認定してもらう。」(p.130)

民生委員などに様子を見てもらっておく

遠方の場合は、なかなか様子がわからないというのがありますよね。

このため、近所の人や民生委員などに様子を見てもらっておくと良いということです。

そこで様子がおかしかったら、介護認定をしてもらうとのこと。

こんなことをやっておくと、介護まで比較的スムーズに進められそうです。

取り入れたいと思ったこと

全体として、もしものときのためのことが書かれています。

健康や仕事、お金、死んだ後のことなど、生きているうちに考えておきたいこと、やっておきたいことかと思います。

私も、やったほうが良いと思ったことを、やっておこうと思いました。

あわせて読みたい

『タイパの経済学』廣瀬 涼

www.biztikara.com

こちらの本は、タイパとはどういうことなのか。
タイパを求める人は、どのようなことを考えているのかなどが書かれています。

『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』

おすすめ度

★★★★☆

「働けなくなったら」「お金がなくなったら」「親の介護が必要になったら」などのノウハウが紹介されています。
もしものときのための備えとして、知っておくと良いことが多いです。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
もしもの準備をしたい方。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

家賃が払えないときは、住居確保給付金

もしもの備えをしていますか?

『タイパの経済学』廣瀬 涼。タイパの3つの性質【書評・感想】

タイムパフォーマンス。

略して、タイパ(時間対効果)。

本書では、そのタイパについて、Z世代の消費行動について探っています。

『タイパの経済学』廣瀬 涼

『タイパの経済学』廣瀬 涼

『タイパの経済学』廣瀬涼

目次

第1章 タイパの正体
第2章 「消費」されるコンテンツ
第3章 Z世代の「欲望」を読み解く
第4章 タイパ化するマーケット
第5章 タイパ追求の果てに

『タイパの経済学』のここに注目・言葉・名言

「本書を書くきっかけになったのも、筆者自身がタイパについて調べれば調べるほど、定義が現象を説明しきれていないことが多く、タイパの理解を難しくしている本質を探りたいと思ったからである。

では、ここまでの考察から、タイパの性質を3つに分類したいと思う。

1 時間効率
2 消費結果によって、かけた時間が評価される(主に消費後) 
3 手間をかけずに○○の状態になる(主に消費対象を検討するうえでの指標)

1は、仕事や家事など、労力が求められるときに手間を省くなどして時間の効率化を図る側面を指す。
2は、モノやサービスを消費した際に、その消費対象から直接得た効用が、かけた時間に見合っていたかを評価する側面だ。英会話教室に月5万円払って、2か月で英語が話せるようになったら、費用はかかったが結果的にタイパがよかったと評価される。
3は、その消費結果をフックにして他人とコミュニケーションをとる際に、いかに時間をかけずに、満足のいくコミュニケーション水準まで自身の経験値や知識量を増やすことができるかという文脈でも使われている。」
(p.127-128)

タイパの3つの性質

1 時間効率
2 消費結果によって、かけた時間が評価
3 手間をかけずに○○の状態になる

タイパには、このような性質があるということです。

効率、評価、手間がかからない。

評価はあるのでしょうね。

時間が短くて、評価が高いものが、タイパが高いということになりそうですよね。

消費されるのは代替可能な「手段」

「消費されるのは代替可能な「手段」にすぎない

一方筆者は、「時間を作ること」と、「外部的な刺激によって生まれた、必要性はあるが主体性に欠ける消費欲求において、必要性を満たした消費結果にいかに手間をかけずに近づけるか」がタイパの目的であると考えている。筆者はあくまでも、時間の効率化と、いかに手間をかけずに特定の状態になれるかという点が、タイパ論の論点であると考えるのだ。」
(p.179)

タイパの目的

必要性を満たした消費結果にいかに手間をかけずに近づけるかが、タイパの目的ということです。

手間と時間をかけないで、早く結果にたどり着く。

これが、タイパの目的ということです。

効率化といったことは、こういう目的、狙いがありますよね。

大量生産などは、そういう側面があると思います。

思ったこと

倍速視聴などで、感動が薄れるという話があります。

確かに、理解できなければ、感動はできないというか、わかっていないので、感動するのは難しいのかもしれません。

ただ、普通の速度で見ても、理解できなければ、感動などはできないでしょう。

速読なども同じですね。

自分が理解できているか、ここが大切だと思います。

時間をかければ良いというものでもないので、どうしたら、目的を達成できるのかを考えて、実行したいものです。

あわせて読みたい

『時短術大全』生産性改善会議

『時短術大全』生産性改善会議。時短術をたくさん取り入れて、時短する - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

www.biztikara.com

こちらは、時短術が、たくさん紹介されています。
一冊でいろいろな時短術を知ることができます。
 時短したい方がいろいろと取り入れると良いですね。

『タイパの経済学』廣瀬 涼

おすすめ度

★★★★☆

タイパとはどういうことなのか。
タイパを求める人は、どのようなことを考えているのかなどが書かれています。

おすすめしたい方

タイパについて考えたい方。
ビジネスパーソン。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

タイパの3つの性質

1 時間効率
2 消費結果によって、かけた時間が評価
3 手間をかけずに○○の状態になる

タイパをどう考えていますか?

『地球の未来のため僕が決断したこと』ビル・ゲイツ

ビル・ゲイツ氏が、気候変動対策について書かれています。

適切な気候変動対策が行われなかったら世界はどうなるのか、どのような対策が必要なのかといったことが書かれています。

気候変動に興味がある方は、もちろんですが、気候変動対策など必要ないと思っている人こそ読んで欲しい一冊です。

『地球の未来のため僕が決断したこと』ビル・ゲイツ

『地球の未来のため僕が決断したこと』ビル・ゲイツ

『地球の未来のため僕が決断したこと』ビル・ゲイツ

目次

 

はじめに 510億からゼロへ
第1章 なぜゼロなのか
第2章 道は険しい
第3章 気候について論じるときの5つの問い
第4章 電気を使う――年間510億トンのうち27%
第5章 ものをつくる――年間510億トンのうち31%
第6章 ものを育てる――年間510億トンのうち19%
第7章 移動する――年間510億トンのうち16%
第8章 冷やしたり暖めたりする――年間510億トンのうち7%
第9章 暖かくなった世界に適応する
第10章 なぜ政府の政策が重要なのか
第11章 ゼロ達成に向けた計画
第12章 一人ひとりにできること
おわりに 気候変動とCOVID-19

『地球の未来のため僕が決断したこと』のここに注目・言葉・名言

「ゼロを達成しなければならない理由は単純だ。温室効果ガスは熱を閉じこめ、地球の地表面温度を上昇させる。ガスが多ければ多いほど温度は上がる。また、排出された温室効果ガスは 非常に長いあいだ大気中にとどまる。いま排出した二酸化炭素のおよそ五分の一は、一万年後も残っているのだ。

炭素を大気中に排出しつづけながら、地球温暖化が止まるというシナリオはありえない。そして地球が暖かくなればなるほど、人間が生きのびるのはむずかしくなる。ましてや人類の繁栄など望みようがない。想定される気温上昇によってどれだけの悪影響が生じるか、正確にはわからないが、懸念すべき理由がたくさんある。また、温室効果ガスは非常に長いあいだ大気中に残るため、ゼロを達成したあとも地球はずっと暖かいままだ。」
(p.31)

温暖化ガス実質ゼロがなぜ必要なのか

地球温暖化によって、人間が生き延びる可能性が低くなるからということです。

気候災害によって奪われる人間の命の数は、COVID-19の5倍にものぼる可能性があるとも書かれています。

また、温暖化ガスを少し減らしただけでは、温暖化は止まらず、長い間、悪影響があるということです。

気候変動対策は必要ない、自分には関係ないと思う人は、まずは本書から読んでみると良いと思います。

製造における排出ゼロへの道

「まとめると、製造における排出ゼロへの道は次のようになる。

1 可能なかぎりすべての工程を電化する。そのためには多くのイノベーションが必要だ。 
2 脱炭素化された電力網からその電気を獲得する。これにも多くのイノベーションが求められる。
3 残った排出分には炭素回収を用いる。これもイノベーションが必要。 
4 資材をもっと効率的に利用する。右に同じ。

このテーマはよく頭に叩きこんでおいてもらいたい。以降の章で何度も目にすることになる。」(p.152)

イノベーションが必要

製造における排出ゼロへの道は、こういったことが必要ということです。

そして、そのすべてにおいて、イノベーションが必要とのことです。

そして、他のこと、農業や移動、家などでも、同じようにイノベーションが必要ということです。

温暖化ガスの排出ゼロには、数多くのイノベーションが求められるというわけです。

輸送の対策は?

「輸送については、炭素ゼロの未来は基本的に次のようになる。
自動車は可能なかぎりすべて電気で動かし、ほかのものには安い代替燃料を使う。
 第一のグループは乗用車、ピックアップトラック、小型・中型トラック、バスだ。第二のグループは長距離トラック、列車、飛行機、コンテナ船である。コストについていうと、電気乗用車は近いうちにガソリン車をもつのとほとんど変わらなくなる。これはすばらしいことだ。しかし残念なことに代替燃料はまだかなり高価だ。値段を下げるためのイノベーションが求められる。」(p.200)

自動車は、電気乗用車に

自動車は、電気乗用車に置き換わる必要があるということですね。

そして、電気においても、排出ゼロにする必要もあるということです。

早くそうならないと、かなり厳しいようにも思えますね。

生活や生産における電気利用は、なかなか削れないですし、電気自動車にすべて変わったとしても、電気がCO2を排出するのであれば、排出ゼロにはならないですから。

電気会社や政府、自動車業界、製造業者などが協力して、エコな電気を作る努力をして欲しいところですね。

取り入れたいと思ったこと

本書で、個人でできることについても書かれています。

それらは取り入れてやりたいと思うのですが、個人でできることは限られていますね。

電気会社をCO2を排出しないものに変えるや、ガソリン車に極力乗らない。
エコな企業を選んで商品を買う、環境に理解のある政治家を選ぶなど。

まずは、自分が排出ゼロを目指していくということが始まりで、それが当たり前になって、温暖化ガス実質ゼロが実現することが、その先にあるということでしょうか。

あわせて読みたい

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』
  アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』ノーベル賞を受賞した2人が説く - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

こちらの『絶望を希望に変える経済学』は、ノーベル経済学賞を受賞したアビジット・V・バナジー氏とエステル・デュフロ氏が、社会的な問題に関連する経済学などについて書かれています。

経済や経済学に興味がある方は、こちらも読んでみてください。

 

『地球の未来のため僕が決断したこと』ビル・ゲイツ

 

おすすめ度

★★★★☆

ビル・ゲイツ氏が、温暖化対策について書かれています。
なぜ排出ゼロが必要なのか、そして、どうしたら、排出ゼロが可能なのか、といったことが書かれています。
温暖化対策について考えたい方が読まれると、参考になる一冊です。

おすすめしたい方

気候変動に興味がある方。
ビジネスパーソン。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

温暖化対策には、イノベーションが必要

温暖化対策を、どうするか?

『ミッション・エコノミー:国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた』マリアナ・マッツカート

ミッション・エコノミーということで、ミッション・使命によって、経済を作り変える、新しい資本主義を作っていくということについて書かれています。

とくに、国などの公的な機関などの力の重要性などが書かれています。

ミッション・エコノミー

ミッション・エコノミー

『ミッション・エコノミー:国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた』マリアナ・マッツカート

目次

第1章 政府・企業・資本主義をつくり直す
第2章 危機に瀕した資本主義
第3章 新自由主義の間違い
第4章 いま、アポロ計画こそが「最高の教訓」である
第5章 課題起点のミッションマップをつくる
第6章 理論と実践
第7章 新しい資本主義へ
原注
「なぜ世界は今、マリアナ・マッツカートを支持するのか?」――訳者あとがき

『ミッション・エコノミー』ここに注目・言葉・名言

「「ミッション志向」の取り組み、つまり官民が手に手を取って重要な社会課題を解決する手法が今、切実に求められている。たとえば、都市部での犯罪から独り暮らしの高齢者の孤独問題まで、さまざまな問題の解決に必要な社会的・組織的・技術的なイノベーションを、できる限り多く、公共部門の調達政策によってうながすといったことだ。」(p.26)

「この本で紹介するミッション思考が、このところの資本主義を立て直すのに間違いなく役に立つ。大規模な改革の実現に必要なのは、これまでにない政治経済の筋書きであり、新しい共有言語だ。その土台になるのは、公共の「パーパス」が政策や企業活動を主導するという考え方である。そこには志が欠かせない。持続可能で公正な社会を担保できるように、官民の契約形態と関係性と広報を変えなければならない。」(p.27)

ミッション思考

ミッション・使命や目的などが、資本主義を立て直すために役立つということです。

公共のパーパス・目的が、政策や企業活動を主導するとのことです。

もし資本主義を変えていくということであれば、そこには、共通の目的が必要になってきます。

SDGsなどの目標も大切なのですが、何のために行うのかという目的を共有できると良いですよね。

ミッション志向の考え方

「現状を前提にしていては、ミッション志向の考え方はできない。
ミッション志向の取り組み方とは、支援したいセクターを選ぶのではなく、さまざまな分野の連携をうながすような問題を見つけることだ。また、小さいからとか、困っているからという理由で資金を手渡すのではなく、多くの組織から異なる解決策 (プロジェクト)を呼び込めるように政策を設計することだ。
それは、市場を修正することではなく、市場を創造していくことを意味する。 
それは、リスクを取り除くことではなく、リスクを共有することである。
それは、勝者を選ぶのではなく、リスクを喜んで受け入れる人を選ぶことである。
そして、ただ「競争のルール」を決めるのではなく、競争のあり方そのものを変えて、変革-ーたとえば低炭素経済への移行や国のデジタル化に向けた変革ーーをうながすことなのだ。」(p.197)

ゲームそのものを変える

多くの組織から異なる解決策 (プロジェクト)を呼び込めるように政策を設計することとのことです。

政府の政策決定の基準を変えるということですね。

解決策を一緒に考えられるようにしていく。

公的部門に限らず、企業などにおいても、必要な考え方のように思います。

取り入れたいと思ったこと

「パーパス志向の企業

政府だけではミッションを追求できない。目標を達成するにはパーパス志向の企業と力を合わせる必要がある。この本で述べてきたように、そのためには現代資本主義の最大の難問に取り組まなければならない。それは、産業の仕組みを変えて、民間企業が目先の金もうけのために利益を運用するのではなく、広く経済に還流させるよう再投資する方向に導くということだ。ミッションを通して、新しいビジネスチャンスをつくり出し、公共投資のリターンを上げることで、この転換を加速できるはずだ。そうすれば、ステークホルダー価値が実現できる。
 これは医療、エネルギー、デジタルプラットフォームなどさまざまな分野で、より共生的なパートナーシップやコラボレーションをつくることでもある。」(p.252)

パーパス志向の企業は、まだまだ多くはないのかもしれません。

ただ、これからは増えていきそうですし、そこには解決したい課題があるはずなので、ビジネスとしてもうまくいきそうですよね。

あわせて読みたい

『ビジョナリー・カンパニーZERO』
 ジム・コリンズ,ビル・ラジアー

『ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる』ジム・コリンズ,ビル・ラジアー - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

 

こちらの本は、スタートアップや中小企業が「偉大な企業」になるために
必要なことについて書かれています。
ビジョナリー・カンパニーを目指したい方が読まれると、参考になる
ことが見つかると思います。

 

『ミッション・エコノミー:国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた』

 

おすすめ度

★★★★☆

ミッションや目的から、資本主義を変えていくということについて書かれています。

これからの政府や企業について考えたい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

ミッション志向

ミッション志向になっていますか?

『ナラティブ経済学: 経済予測の全く新しい考え方』ロバート・J・シラー

本書は、ノーベル経済学賞受賞のロバート・J・シラー氏による著書です。

ナラティブ経済学ということで、「物語」が経済などに与える影響、そしてそのような経済学について書かれています。

『ナラティブ経済学: 経済予測の全く新しい考え方』ロバート・J・シラー

『ナラティブ経済学』の目次

はじめに ナラティブ経済学とは何か

1部 ナラティブ経済学の始まり

1 ビットコインのナラティブ

2 一致性の冒険

3 感染、群れ、合流

4 なぜ一部のナラティブが流行るのか

5 ラッファー曲線とルービックキューブの大流行

6 経済ナラティブのヴァイラル性に関する様々な証拠

2部 ナラティブ経済学の基礎

7 因果性とナラティブ群

8 ナラティブ経済学の7つの主張

3部 繰り返される経済ナラティブ

9 反復と変異

10 パニックと不安

11 倹約VS顕示的消費

12 金本位制VS金銀両本位性

13 労働節約機械が多くの職を奪う

14 オートメーションとAIがほとんどの職を奪う

15 不動産バブルとその崩壊

16 株式市場のバブル

17 ボイコット、不当利益、邪悪な企業

18 賃金物価スパイラルと邪悪な労働組合

4部 ナラティブ経済学の将来

19 未来のナラティブ、未来の研究

 

『ナラティブ経済学』のここに注目・言葉・名言

「本書で示したナラティブ経済学への洞察は、情報技術やソーシャルメディアの最近の進歩とも整合している。というのもこれらは物語が世界中に運ばれ、ミリ秒単位でヴァイラルとなる道筋だからだ。そしてそれは経済行動に大きな影響をおよぼす。だが本書はまた、通信がもっと遅く、物語が電話や、トラックや列車の配達する新聞経由で繰り返された、もっと長い歴史範囲も検討している。」(p.14)

物語が、ヴァイラルで広がる現代

SNSやウェブの発達で、人々の言葉や物語が、より簡単に広まるようになりました。

ヴァイラルで広がる時代と言っても良いのかもしれません。

そして、ナラティブ経済学は、そんな時代に生きてくるのかもとも思います。

ヴァイラル性

「ここから得られる教訓は、経済史を含む歴史は、それを理解しようとしたり世間的なコンセンサスを得ようとしたりする後のナラティブが示すような、出来事の論理的なシーケンスではないということだ。大事件が起こるのは、ちょっと高い感染率を持つナラティブの、一見するとどうでもいい突然変異、ちょっと低い忘却率、先行者優位などが、競合するナラティブ群の一つを頭一つ抜きん出るようにするからだ。そうしたランダムな事象がフィードバックを起こし、もっと大きくて広まるナラティブ群にフィードバックされるのだ。」(p.67)

ちょっとした違いから広まる

大きな違いが、大きな広がりにつながるというよりは、ちょっとした違いが大きな広がりになるということです。

ちょっとした違いを、いくつか重ねることで、大きな違いになるのでしょうね。

SNSや動画サイトの投稿などで、なんでこんなに広まっているのか、というようなものもありますよね。

それらも、ちょっとしたことが積み重なって、大きく広まっているということなのかもしれません。

思ったこと

物語る。話す。
人は、そういう生き物ですよね。

そして、その物語、ナラティブが、経済に影響しているというのはあると思います。

そのあたりが、ナラティブ経済学ということなのでしょうね。

あわせて読みたい

『ヒットの設計図――ポケモンGOからトランプ現象まで』デレク・トンプソン

『ヒットの設計図――ポケモンGOからトランプ現象まで』デレク・トンプソン

 

 

こちらの『ヒットの設計図』は、ヒットを生み出すために、どうするか?
ヒット商品には、何が必要か。

そんなことが書かれています。

ヒットを生み出したい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。

『ナラティブ経済学: 経済予測の全く新しい考え方』ロバート・J・シラー

おすすめ度

★★★★☆

経済と物語。
その関係などに興味がある方が読まれると、興味深く読むことができると思います。
物語から経済を見たい、そんな方が読まれると良いでしょう。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

物語が、ヴァイラルで広がる現代

ナラティブと経済の関係を考えてみる

『POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス): 学習する組織に進化する問題解決アプローチ』

問題解決において、POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス)という、ポジティブな方向に逸脱しているものを探すということを提唱しています。

そして、そのような方向性が、学習する組織にとってプラスになるということです。

『POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス): 学習する組織に進化する問題解決アプローチ』

『POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス): 学習する組織に進化する問題解決アプローチ』

『POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス):学習する組織に進化する問題解決アプローチ』

リチャード・パスカル,ジェリー・スターニン,モニーク・スターニン

『POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス)』の目次

第1章 あらゆる困難を乗り越えるポジティブな逸脱者を探せ!
第2章 目前に迫った危機が新たな機会を生み出す
第3章 慣習と伝統をいかに変化と調和させるか
第4章 どのようにして解決策を実行してもらうか
第5章 早い段階での勝利、浪費された利益
第6章 問題は解決されるまで本当に理解することができない
第7章 漸進的な学習プロセスが意図しない結果をもたらす
第8章 学習する組織のマネジメント
付 録 PDアプローチの基本的なフィールドガイド
訳者解説 PDのビジネスへの応用 

 

ここに注目・言葉・名言

「PDとはいびつで撞着した(訳注:ポジティブと逸脱はある意味相矛盾する)
言葉になっています。しかし、そのコンセプトはシンプルです。それは、あらゆる困難に打ち勝って成功した外れ値を探しなさい、ということです。」
(p.29)

成功した外れ値を探す

POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス)は、成功した外れ値を探すということです。

すでに解決した人がいる場合に使える手法です。

「この概念を理解すると、観察可能な例外に注意を向けることで、自然とWho(だれが)、What(何を)、そして特にHow(どのように)に気づくことができるようになります。」

うまくいっている例外に注目すると、Who、What、Howに気づきやすくなるということです。

問題や失敗を考える際に、Why(なぜ)失敗したのか、問題が起こったのはなぜか(Why)と考えることがあると思いますが、Why以外の上記のようなことに気が付きやすいということですね。

考え方を変えるよりも、行動を変えるほうが簡単

「考え方を変えるよりも、行動を変えるほうが簡単だ、ということです。
毎日の寄付は、新しい習慣を形成するための布石になりました。
 PD行動が発見されたら、それを学ぼうとする人には、新たな行動を実践する機会と手段の両方を提供しなければなりません。PDの方法論を使って対処したさまざまな問題において、知識よりも実践に焦点を合わせることが、持続的な行動の変化をもたらすための鍵となることがいまや明らかになっています。」(p.84)

他人の考えを変えるよりも

他人は変えられないと言ったりします。

そして、意外と難しいのは、意見を変えさせることだったりもすると思います。

しかし、行動を変えることは、意外と簡単だということです。

ここでは、何かを持ち寄って「寄付する」ことで、メリットが得られるようになって、行動が変わって、結果が変わるということが紹介されています。

知識で人の意見や行動を変えるのではなくて、行動を指定して、行動を続けやすくして、持続的な変化をもたらす。そんなことができるという話です。

取り入れたいと思ったこと

「普及するためには、それを実践し、実際に成果が出ることを実感する必要があります。そのためには、まずはスモールサクセスという社会的証明が必要です。たとえば、営業成績のよくない営業担当者にPD行動を模倣してもらい、それで営業改善が見られるのであれば、その営業担当に自らの体験を語ってもらうという工夫が必要になります。」(p.395)

成功した外れ値としての行動を見つけたとして、組織として普及していくには、このような工夫が必要ということです。

押し付けるよりも、試してもらって、うまくいったら、うまくいった人が語るということですね。

あわせて読みたい

『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』中竹 竜二

『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』中竹 竜二 - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

 

 

こちらの『ウィニングカルチャー』は、勝つ文化をどのようにつくるのか。
組織文化の作り方などについて書かれています。

組織やチームの文化をどうやってつくるのかを考えたい方が読まれると参考になるはずです。

『POSITIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス):学習する組織に進化する問題解決アプローチ』

おすすめ度

★★★★☆

成功した外れ値を探して、それを組織に浸透させていくにはどうすると良いかということが書かれています。
学習する組織の作り方にも参考になる点があると思います。
問題解決のアプローチを知りたい方が読まれると参考になるはずです。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

成功した外れ値を探す

成功した外れ値を探していますか?

『繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学』クレイトン・M クリステンセン他

経済成長とイノベーション

本書は、発展途上国などが成長するには何が必要なのかといった観点から、イノベーションなどについて書かれています。

市場を作ることの大切さがわかる一冊です。

『繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学』

クレイトン・M クリステンセン他

『繁栄のパラドクス』の目次

第1部 市場創造型イノベーションのパワー(繁栄のパラドクスとは
イノベーションの種類
苦痛に潜む機会
プル対プッシュ―2つの戦略)
第2部 イノベーションと社会の繁栄(アメリカを変えたイノベーション物語
アジアの繁栄
メキシコに見る効率化イノベーションの罠)
第3部 障壁を乗り越える(イノベーションと制度の関係
なぜ腐敗は「雇用」されつづけるのか
インフラのジレンマ)
第4部 イノベーションにできること(繁栄のパラドクスから繁栄のプロセスへ)
巻末付記 新しいレンズで見る世界

ここに注目・言葉・名言

「逆風のなかでイブラヒムのつくった市場は、われわれが「繁栄のパラドクス」と呼ぶ問題への解決策を表している。意外に感じるかもしれないが、貧困の解決と長期的な繁栄はつながらないのだ。繁栄をもたらすのは新しい市場を創造するイノベーションである。教育や医療、行政機構、インフラなど繁栄との関連が強く示唆される指標を改善するための資源を貧困国にいくら注ぎ込んでも、持続性のある真の繁栄が創出されるわけではない。国が繁栄し始めるのは、特定のタイプのイノベーション、すなわち市場創造型のイノベーションに投資したときだ。」(p.27)

市場創造型のイノベーションが、持続性のある真の繁栄につながる

市場、売買、商売が行われるようにしない限り、持続性のある経済的な繁栄は続かない。

そういうことなのだろうと思います。

 

市場が機能する、商売が成り立つ、そういう状況を作ることが、長期的な繁栄や成長につながるのでしょう。

本書では、そんなイノベーションなどについて書かれています。

自社のインフラから自国のインフラへ

「市場創造型のイノベーターは、無消費者に対応する新たな市場をつくり出すために、ビジネスの中核をなす部分かどうかにかかわらず、必要なことを全部実行しようとする。こうして構築されたインフラは、自社にとどまらず、その国のインフラになる。」(p.123)

企業がインフラをつくっていく

イノベーター、企業がインフラをつくっていくということだと思います。

 

本書では、ソニーが紹介されていますが、私がインフラということで思うのは、ヤマト運輸ですね。

個別配送のインフラをつくって、それが、少なからず日本の便利につながっている。

こういった例が思いつきます。

そして、本書では、そんな事例などが紹介されています。

思ったこと

国の成長や繁栄の原因、理由がいまいちまだわかっていないという現状があります。

しかし、本書で紹介されているように、「市場」を作り出すことが、成長や繁栄につながっているのだろうと思います。

というのは、逆に、市場がないとしたら、成長などはむずかしいでしょうから。

あわせて読みたい

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』
  アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』ノーベル賞を受賞した2人が説く - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

こちらは、エステル・デュフロ氏が、社会的な問題に関連する経済学などに
ついて書かれています。

経済や経済学に興味がある方は、こちらもあわせて読んでみてください。

『繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学』

クリステンセン氏などの著書です。

市場創造型のイノベーションなどについて書かれています。

無消費から市場を作る。
そんなことに興味がある方が読まれると、参考になる一冊です。

おすすめ度

★★★★☆(★4.3)

絶望を希望に変えるイノベーションの経済学ということで、市場創造型のイノベーションなどについて書かれています。
成長や繁栄に興味がある方が読まれると、参考になります。

読んでみてください。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

『繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学』

クレイトン・M クリステンセン

繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

市場創造型のイノベーションが、持続性のある真の繁栄につながる

市場を作る

『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』

ナシーム・ニコラス・タレブ氏の著者です。

タイトルにあるように、身銭を切ることなどについて書かれています。

『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』

ナシーム・ニコラス・タレブ

 

『身銭を切れ』の目次

第1部 「身銭を切る」とは何か
プロローグその1 アンタイオス、殺(や)られる
プロローグその2 対称性の簡単なおさらい
プロローグその3 『インケルトー』の肋骨

第2部 エージェンシー問題入門編
第1章 自分で捕まえた亀は自分で食べよ――不確実性に関する平等

第3部 例のこの上ない非対称性
第2章 もっとも不寛容な者が勝つ――頑固な少数派の支配

第4部 犬に紛れたオオカミ
第3章 合法的に他人(ひと)を支配するには
第4章 人に身銭を切らせる

第5部 生きるとはある種のリスクを冒すこと
第5章 シミュレーション装置のなかの人生
第6章 知的バカ
第7章 身銭を切ることと格差の関係
第8章 リンディという名の専門家

第6部 エージェンシー問題実践編
第9章 外科医は外科医っぽくないほうがいい
第10章 毒を盛られるのはいつだって金持ち――他者の選好について
第11章 不言実行
第12章 事実は正しいが、ニュースはフェイク
第13章 善の商品化
第14章 血もインクもない平和

第7部 宗教、信仰、そして身銭を切る
第15章 宗教を語るヤツは宗教をわかっていない
第16章 身銭を切らずして信仰なし
第17章 ローマ教皇は無神論者か?

第8部 リスクと合理性
第18章 合理性について合理的に考える
第19章 リスク・テイクのロジック

エピローグ リンディが教えてくれたこと


ここに注目・言葉・名言

「身銭を切らないかぎり、進化は起こりえない。」(p.38)

身銭を切ることと進化

そのままな感じもしますが、実際に自分でやらないと、改善などはできないだろうということで、進化も起こりえないということですね。

 

本書は、実践する、リスクを取ることについて書かれています。

進化や改善をしたいなら、身銭を切ることですね。


語る者

「ルールは単純だ。

語る者は実践するべきであり、実践する者だけが語るべきである。」
(p.61)


実践してから語る

評論家ではなくて、実践者になる。

そういうことですよね。

実践していない人が語っているというのはよくあることです。

それが絶対にダメだとは思いませんが、リスクを取っているかというと、そうでもないですよね。

取り入れたいと思ったこと

いろいろと思ったことはあったのですが、やはり実践することですよね。

そして、市場についても考えさせられるところはありました。

そんなことを考えたい方が読むと良い一冊でしょう。

あわせて読みたい

『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』
ナシーム・ニコラス・タレブ(著)

『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』ナシーム・ニコラス・タレブ(著):ビジネス書の書評:知識をチカラに!

 

こちらの『まぐれ』では、生物学や経済学などの様々な「科学」からの知恵を借りています。

『まぐれ』のおもしろいところは、著者が、考えを実践にどう活かそうとしているかというところだと思いました。

『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』ナシーム・ニコラス・タレブ

本書は、タイトルで、その内容というか結論はほとんど行ってしまっているところがあります。

そういう意味では、読む価値がそこまで高くなりにくいかなと思わなくもないです。

しかし、実践したいと考えている人には、刺激がある本でしょう。

ということで、実践していきたいと考える方が読まれると良いと思います。

おすすめ度

★★★★☆

タレブ氏の著書です。
身銭を切る、リスクを取るということが書かれています。
実践したい方が読まれると、得るところが大きいと思います。

おすすめしたい方

実践していない方。
ビジネスパーソン。

『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』
 

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

身銭を切れ――「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質

身銭を切らないかぎり、進化は起こりえない

実践していますか?

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』ノーベル賞を受賞した2人が説く

ノーベル経済学賞を受賞したアビジット・V・バナジー氏とエステル・デュフロ氏が、社会的な問題に関連する経済学などについて書かれています。

経済成長や貧困、格差、温暖化などの経済学的な知見を書かれています。

本書の題名から希望に変えられるかと思うかもしれませんが、結論を書いてしまうと、そこまでではなかったです。

希望はないということではないのですが。

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』

アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ 

『絶望を希望に変える経済学』の 目次

1 経済学が信頼を取り戻すために
2 鮫の口から逃げて
3 自由貿易はいいことか?
4 好きなもの・欲しいもの・必要なもの
5 成長の終焉?
6 気温が二度上がったら…
7 不平等はなぜ拡大したか
8 政府には何ができるか
9 救済と尊厳のはざまで
結論 よい経済学と悪い経済学


ここに注目・言葉・名言

「貿易が引き起こす深刻な問題は、ストルパー=サミュエルソン定理が想定する以上に多くの負け組を生み出すことである。よって解決策は、解雇された人の移動や転職支援をして負け組の数を減らすこと、または補償を拡充することになるだろう」(p.139)


貿易が引き起こす深刻な問題

ストルパー=サミュエルソン定理とは、貿易によって、先進国に豊富な高技能(高学歴)労働者の賃金が上昇し、低技能(低学歴)労働者の賃金が低下し、両者の賃金格差が拡大するというものです。

貿易によって恩恵を受けるというのはあります。

安く品質がそこそこのものを手に入れやすくなるとか。

しかし、貿易で影響を受ける産業にいる人たちは、解雇などをされてしまう。

ということで、移動や転職支援をするということです。
が、これが意外とむずかしいということも、本書では書かれていますね。

成長の要因は?

「富裕国の成長要因がわからないのと同じく、貧困国についても誰もが納得する決定的な成長の処方箋は見当たらない。今日では、専門家もこの事実を認めている。」(p.270)

成長の要因がわからない

経済成長を目指す。

多くの国が挙げている目標でしょう。

しかし、その要因、原因がわかっていない。

経済学を少し学ぶとわかると思いますが、経済成長の決定的な要因が出てこない。

貿易なのか、イノベーションなのか、人口増なのか。
これらや他の組み合わせなのか。
それとも、他の要因があるのか。

いずれにしても、過去の成長事例において、似ているものがないことがわかっているので、決定的なことはわからないということです。

『絶望を希望に変える経済学』を読んで思ったこと

「根拠のない考えに対して私たちにできる唯一のことは、油断せずに見張り、「疑う余地はない」などという主張にだまされず、奇跡の約束を疑い、判明した事実に誠実であることだ。」(p.467)

経済についてわかっていることは多くはないというか、決定的なことはそれほどないというか。
本当に知りたいことはまだわかっていない。

それでも、わかっていることから、実現したいことに向けて行動していく。

経済学にできることは限られているかもしれないが、できること、必要なことを知見を活かしながらやっていく。

そんなことを、本書を読みながら思いました。


▼ あわせて読みたい ▼

『善と悪の経済学』トーマス・セドラチェク

『善と悪の経済学』経済学は人間の物語。トーマス・セドラチェク - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

 

 

こちらの『善と悪の経済学』は、人間の物語としての経済学、善と悪や、人間の欲望といったところから、経済を捉えてみる、そのような経済学について書かれています。

経済や経済学を理解したい方が読まれると、参考になると思います。
こちらもあわせて読んでみてください。

 

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』

 アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ

www.youtube.com

最初のほうにも書きましたが、本書だけで絶望が希望に変わるかというとむずかしいかもしれません。

それでも、経済学でどこまでわかっているのか、わかっていないのかを知ることができるので、読んでみると興味深く読むことができると思います。

おすすめ度

  ★★★★☆

 ノーベル経済学賞を受賞したアビジット・V・バナジー氏とエステル・デュフロ氏が、社会的な問題に関連する経済学などについて書かれています。
 経済や経済学に興味がある方は読んでみてください。


おすすめしたい方

経済に興味がある方。
ビジネスパーソン。

『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』

 アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ

絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか (日本経済新聞出版)

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

成長の決定的な要因はわからない

わからない中でどうするか?

『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」』齋藤 孝

渋沢栄一氏の人生と『論語と算盤』について、イラストとともに解説されています。

わかりやすいですね。

『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」』齋藤 孝

図解 渋沢栄一と「論語と算盤」

図解 渋沢栄一と「論語と算盤」

  • 作者:齋藤 孝
  • 発売日: 2020/06/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」の目次 

まえがき なぜ今、「渋沢栄一」なのか?
Chapter 1 『論語と算盤』がもっと面白くなる渋沢栄一の人生
Chapter 2 今だからこそ胸に刻みたい『論語と算盤』の教え
Chapter 3 渋沢栄一の関連人物から読む『論語と算盤』

『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」』のここに注目・言葉・名言

「古典を自分に合わせて読み換えよ

 論語にはおのれを修め人に交わる日常の教えが説いてある。論語は最も欠点の少ない教訓であるが、この論語で商売ができまいかと考えた。そして私は論語の教訓に従って商売し、利殖を図ることができると考えたのである。
ーー第1章 処世と信条[論語は万人共通の実用的教訓]」(p.74)

本は自分に合わせて読み換える

本に書かれていることをそのままやってみるというのもありだと思います。

ただ、そのままだと、自分に合っていないとか状況に合っていないということもあるでしょう。

自分で考えて、応用してみる。

自分に合わせて読み換える。

これができると、本の価値は高まりますね。

成功と失敗

「成功と失敗を超えていけ

成敗に関する是非善悪を論ずるよりも、先ず誠実に努力すれば、公平無私なる天は、必ずその人に福し、運命を開拓するように仕向けてくれるのである。
(中略)いやしくも事の成敗以外に超然として立ち、道理に則って一身を終始するならば、成功失敗のごときは愚か、それ以上に価値ある生涯を送ることが出来るのである。
ーー第10章 成敗と運命[成敗は身に残る糟粕]」(p.146)

成功と失敗以上に価値あること

誰でも、失敗したくない成功したいと思うことでしょう。

ただ、そうやって考えていると、失敗してしまうかもしれないと考えて、挑戦できないかもしれません。

そうなると、失敗はないかもしれませんが、成功することはない。

そして、挑戦した際の経験を得ることもない。

 

成功したら儲け物ぐらいの気持ちで、やりたいことに挑戦していく。

そういうことが価値あることなのだと思います。

思ったこと

さらに、この言葉で「道理に則って」とあります。
最近、あまり聞かない言葉かもしれません。

道理、理屈。原理、原則。原因と結果。

そういったことですよね。

 

道理を考えて、やりたいことに挑戦していくことで、充実した人生になる。

そういったことを、ここでは言っているのですよね。

あわせて読みたい

『企業経営の要諦 稲盛和夫経営講演選集 第6巻』稲盛 和夫

『企業経営の要諦 稲盛和夫経営講演選集 第6巻 』稲盛 和夫 - ビジネス書の書評ブログ:ビジネス書をビジネスのチカラに

 

稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦

稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦

  • 作者:稲盛 和夫
  • 発売日: 2016/04/08
  • メディア: 単行本
 

 

京セラ創業者の稲盛和夫氏の講演をまとめたものです。
とくに、企業経営について書かれています。

経営者の方が読んでおきたい一冊ですね。

これまでに、稲盛和夫氏の本を読んでいる方には、重複していることもあります。
それでも、まとまった一冊として読んでみると良いですね。

 

『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」』齋藤 孝

図解 渋沢栄一と「論語と算盤」

図解 渋沢栄一と「論語と算盤」

  • 作者:齋藤 孝
  • 発売日: 2020/06/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

渋沢栄一氏の人生などについても、まとめられています。

「論語と算盤」だけではなく、そのあたりも知ることができるので、興味がある方は手にとってみると良いと思います。

おすすめ度

  ★★★★☆

 『論語と算盤』についてと渋沢栄一氏の生涯などについてまとめられています。
 渋沢栄一氏と『論語と算盤』に興味がある方が読まれると良いですね。


おすすめしたい方

渋沢栄一氏の考え方を知りたい方。
ビジネスパーソン。

『図解 渋沢栄一と「論語と算盤」』齋藤 孝

図解 渋沢栄一と「論語と算盤」

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

本は自分に合わせて読み換える

本を応用していますか?