『経済は「予想外のつながり」で動く』

経済は「予想外のつながり」で動く――「ネットワーク理論」で読みとく予測不可能な世界のしくみ
- 作者: ポール・オームロッド,望月衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
経済がどう動くか
経済がどう動くのか。
これは、まだあまりよくわかっていないことでしょう。
本書では、ネットワーク理論を経済の動きを読むために使うことについて書かれています。
▼ ここに注目 ▼
「ネットワークの影響はインセンティブだけの影響よりかなり大きい。この2つが同方向に作用し、「ポジティブ・リンキング」という現象が起きれば、インセンティブによって起きる比較的少人数の行動の変化が、ネットワーク効果によってもっとたくさんの人たちに広がる。しかし、政策立案者たちがインセンティブを使って起こそうと思っていたのとは異なる行動がネットワークに広まると、インセンティブは力を失ってしまう。」(p.39)
ネットワークとインセンティブ
人間は、インセンティブで動く。
こういうことは、経済学での基本的な考え方でしょうし、今の経済の基本的な考え方でしょう。
ただし、ネットワーク的にも人間は動く。周りの人に影響される。
そういうことも考えると、また違ってくる。
本書ではこういうことが書かれています。
ポジティブ・リンキング
「政策が信頼を呼び起こすかどうかは具体的な内容で決まるのではない。政策がもたらしうる結果を経済学の言う意味で「合理的に」計算して信頼感が湧くといえるかどうかが問題ではない。金融市場に前向きな気運、前向きな態度を作り出せるかどうかが鍵なのだ。つまり、ポジティブ・リンキングである。」(p.154)
ポジティブなフィードバックになるか
インセンティブが働くようになるには、ポジティブなつながり、プラスのフィードバックになるかどうかが重要ということです。
個別のインセンティブだけではなく、ネットワークとしてプラスになるのか、マイナスになるのか。
こういうことも考える必要があるのでしょう。
▼取り入れたいと思ったこと
ネットワーク理論。システム理論。
このあたりを考えると、経済を考える際に、古典的な経済学だけでは、不十分なのではないかと思えてきます。
ネットワーク理論やシステム理論のような考え方を取り入れたいですね。
経済は「予想外のつながり」で動く――「ネットワーク理論」で読みとく
経済をネットワーク理論で考える。
そういうことの大切さやポイントについて書かれています。
経済の動きを知りたい方が読まれると、参考になると思います。
▼ あわせて読みたい ▼
『世界はシステムで動く』ドネラ・H・メドウズ
▼ おすすめ度 ▼
★★★★☆(★4.3)
▼ おすすめしたい方 ▼
経済の動きを知りたい方。
ビジネスパーソン。
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