『日本買い 外資系M&Aの真実』加藤 有治
本の目次
第1章 日本買いM&Aの現状―鎖国から開国へ
第2章 日本買いM&Aの大原則―案件のスカウトから、育成、市場デビューまで
第3章 日本買いM&Aの関係者―チーム構成が勝敗を決する
第4章 日本買いM&Aの実際―外資の経営力取り込み実例
第5章 日本買いM&Aの功罪―「ハゲタカ」外資という誤解
第6章 まとめ―日本買いM&Aで外資経営資源の徹底的利用を
外資系M&A
本書では、外資系からの日本企業のM&Aについて書かれています。
日本企業が、海外からの資本を受け入れるという話です。
意外とこういう本はないと思うので、参考になるところが多かったです。
ここに注目・言葉・名言
「一部の大企業が海外の企業を買収する対外直接投資はよく注目されますが、経営資源が乏しい中小企業は、逆に海外から資本とともに取り込む対日直接投資によって、人材、技術、ノウハウの流入を受けることで、世界に拡大するチャンスが広がるはずです。」(p.22)
海外からの資本、人材、ノウハウなどを取り入れる
外資からの資本投入で、M&Aなどをして、資本だけではなく、人材やノウハウを取り入れる。
そういう面があるということですね。
資本を入れるというのは、どうも拒否反応があるような気もします。
買われたというのがあるからかもしれませんし、「ハゲタカファンド」のようなことがあるからかもしれません。
しかし、相手によるとは思いますが、資本だけではない、提携というのもあるわけですよね。
ということが、本書を読むとわかってきます。
資本の裏付け
「日本企業の場合は、経営権にかかわる資本の話ができませんでした。販路の共有、製品開発の技術協力などに範囲を限ることがほとんどでした。GEもそうですが、欧米系の事業会社の多くは、資本の伴わない事業協力や資本のコントロールが明確でないジョイントベンチャーの効果をほとんど信じていません。資本の裏付けがなければ、双方が真剣になることがなく、様々な利益相反の問題が出ると考えるからです。」(p.140)
「利益」を共有する
結局、お互い損得を共有できる関係を作らないと、真剣にはならない、問題が起こった時に、対処が面倒になる、というのがあるのでしょうね。
資本を投下しているから、意見を言えるというか、真剣に意見を取り合おうとするということでしょう。
お金を出していないのに、口だけ出されても、ということに似ているのでしょうね。
お互いが真剣に協力するには、お金がポイントになってくる。
ビジネスですから、当然ですが、ここをおろそかにしてしまうと、うまく行かなくなってきた時などに、まとめられず、結局足を引っ張るなどしてしまうのでしょう。
取り入れたいと思ったこと
協力をする。その際に、どうすると良いのか。
資本を入れることで、得られることは何か。
そんなことがわかったところが良かったです。
直接的には、わたしには、関係ないところがありますが、考え方などが参考になりました。
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インフォグラフィックで見るApple, Google, Facebook, Amazonの買収戦略
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こちらは、Apple、Google、Facebook、Amazonの買収戦略についてインフォグラフィックスで書かれています。
買収について考えたい方が読まれると参考になるはずです。
『日本買い 外資系M&Aの真実』加藤 有治
外資系によるM&Aということだと、拒否反応もあるかもしれません。
しかし、そこには、メリットもあるということが、本書を読むとわかります。
もちろん、相手によるというところもあるでしょう。
それでも、資本やノウハウを得られるというのはあります。
そして、それらをどう活かしていくのか。このあたりのことも、本書では書かれています。
外資系によるM&Aについて知りたい方は読んでみてください。
おすすめ度
★★★★☆
日本買いということで、外資系企業による日本企業のM&Aについて書かれています。
外資系によるM&Aのメリットなどを知りたい方が読まれると、参考になると思います。
おすすめしたい方
外資系M&Aについて知りたい方。
経営者。
『日本買い 外資系M&Aの真実』加藤 有治
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
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