『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』入山章栄
本の目次
【Part1】いま必要な世界最先端の経営学
【Part2】競争戦略の誤解
【Part3】先端イノベーション理論と日本企業
【Part4】最先端の組織学習論
【Part5】グローバルという幻想
【Part6】働く女性の経営学
【Part7】科学的に見るリーダーシップ
【Part8】同族企業とCSRの功罪
【Part9】起業活性化の経営理論
【Part10】やはり不毛な経営学
【Part11】海外経営大学院の知られざる実態
【経営学ミニ解説】
世界最先端の経営学
MBAなどでは学べない経営について書かれているということです。
MBAで学べないかどうかは、ちょっとわたしにはわからないですが、経営の話が書かれています。
「成功すると「サーチ行動」をしなくなる
「なぜ成功体験よりも失敗体験のほうが、その後のパフォーマンス向上に貢献する
のでしょうか。マドセン=デザイは、それを組織の「サーチ行動」の理論に求めます。
世界の経営学では、組織学習に最も重要な基本原理の一つが「サーチ行動」だというのは、学者のコンセンサスになっています。これはノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンの時代から、認知科学分野で打ち立てられてきた考えです。
組織というのは、サーチ行動をすることで学習していきます。サーチ行動とは、一言でいえば、「新しい考え方・アイデア・知見・情報などを常に探す」ことです。」(p.138)
サーチ行動をする
成功すると、新しい情報、知らないことを探さなくなりやすい。
こういうのはあるのでしょうね。今やっている方法で良い、うまくいっているから。
こうなりやすいというのはあると思います。
成功したいけれど、うまくいっていなかったら、別の方法を探そうとなる
でしょうけれど、うまくいっていると、「サーチ行動」をしなくなる。
そうなると、状況が変わったり、うまく行かなくなった時などに、対応が遅くなって、傷口を広げてしまうというようになって、取り返しがつかない、というのはありそうです。
うまくいっているときにこそ、サーチ行動をしておきたいものです。
多様性
「過去の研究を集計したメタ・アナリシスから得られた事実法則では、組織に重要なダイバシティーとはあくまで「タスク型の人材多様性」のことであり、性別・国籍・年齢などの多様性は組織に何の影響も及ぼさないどころか、場合によってはマイナスの影響を及ぼすこともあり得る、という結論になったのです。」(p.180)
組織に重要なダイバシティーとは「タスク型の人材多様性」
組織が成功するために、重要なダイバシティーとは、多様なタスクをできる人材がいることだそうです。
同じようなタスクをこなせる人がたくさんいてもあまり意味がないということですね。
能力が違う人が多い、能力の多様性が大切ということです。
性別や国籍、年齢などは関係がないというか、成功にはマイナスに働くこともあるということです。
そうなると、例えば、職場の女性を増やす理由は、業績のためということではないことで考える必要があるのかもしれませんね。
能力の多様性を考えて、性差などは考慮しないということが、成功には大切なようです。
取り入れたいと思ったこと
リーダーシップと業績の関係なども書かれていました。
リーダーシップのタイプで、業績が変わってくるということです。
リーダーシップの発揮の仕方も考えて、取り入れたいですね。
あわせて読みたい
『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』グロービス
こちらは、MBAなどの基本のキーワードです。
MBAの基本的なところを知りたい方は、こちらも合わせて読んでみると良いと思います。
ここを知った上で、他のことも知ると良いのでしょうね。
『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』入山章栄
最先端かどうかはちょっとわかりませんし、ビジネススクールでも、こういったことを教えているところもあるのではと思わなくもないです。
そういう意味では、タイトルは本当なのかどうなのかと思いますが、知っておくと違うだろうということが紹介されています。
上で紹介した、多様性、ダイバシティーなどはそういう話だろうと思います。
ということで、経営に関して、学びたい、知りたいという方が読まれると良いですね。
おすすめ度
★★★★☆(★4.3)
経営について、経営学で最近言われていることを紹介されています。
経営やビジネスについて、さらに知りたい方が読まれると参考になると思います。
おすすめしたい方
ビジネスパーソン。
経営者。
『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』入山章栄
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
サーチ行動をする
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